ToDoは増やさず、ToDone(やったこと)だけ書く

心を軽くするヒント

ToDoが増えるほど、なぜか動けなくなる。終わらない仕事が頭に残り、休んでいても「まだやってない」が追いかけてくる。そんなとき役に立つのが、やることを増やす代わりに「やったこと(ToDone)」だけを書く方法です。ToDoneは、予定を管理する道具というより、脳の不安を落ち着かせる“証拠集め”に近いもの。小さな前進を見える形にして、自己否定と焦りのループをほどきます。この記事では、ToDoneが効く理由、続けやすい書き方、仕事・家事・メンタルが揺れる日の使い方、挫折しやすいポイントの対策まで、現実に即してまとめます。今日から「増やさない管理」で、回る感覚を取り戻すために。


  1. ToDoが増えるほど、心がすり減るのは普通のこと
  2. ToDoneは「やったこと」だけを書く。だから回復する
    1. 1) 脳は「未完了」を強く記憶する
    2. 2) 自己評価の材料が、足りなさから前進に変わる
    3. 3) 「頑張ったのに報われない感」を減らす
  3. ToDoneの基本ルールは「小さく・雑に・続ける」
    1. 1) 1行1アクションで書く
    2. 2) 時系列で並べる(重要)
    3. 3) 1日の終わりに“まとめ”を書かない
  4. 書く場所はどこがいい?続く形にするコツ
    1. スマホのメモアプリ(最強)
    2. ノート(書くことで落ち着く人向け)
    3. PCのテキスト(仕事用ログと相性がいい)
  5. うまくいく人がやっている「ToDoneの粒度」調整
    1. 粒度が大きすぎると、書けない
    2. 粒度が小さすぎると、逆に疲れる
  6. 「今日は何もできなかった日」にこそ効く使い方
    1. だめな日のToDoneは、救急箱みたいに使う
  7. 仕事で使うToDone:評価されにくい仕事ほど残す
    1. 見えにくい仕事の例
  8. 家事・生活で使うToDone:終わりがないものに効く
    1. 家事ToDoneの書き方例
  9. ToDoneが続かない人の典型パターンと、現実的な対策
    1. パターン1:書くのを忘れる
    2. パターン2:書いても虚しい
    3. パターン3:結局ToDoも必要になる
  10. ToDoを増やさないための「3つだけルール」
    1. 1) ToDoは「今日の最小3つ」だけ
    2. 2) “思いついたこと”はToDoにしないで、保管箱へ
    3. 3) 「今やらない」決定もToDoneに書く
  11. ToDoneを“メンタルの安全装置”にする運用
    1. 落ちる前のサインをToDoneに混ぜる
  12. 週1回だけでいい「ToDone振り返り」のやり方
    1. 見るのは3つだけ
  13. 仕事が忙しい人向け:ToDoneを「説明責任」に変える
    1. 週報への変換が簡単になる
    2. 「やってない」ではなく「こういう理由で止まっている」を言える
  14. それでも焦りが消えないときの、ToDoneの使い方
    1. 「量」ではなく「回復」を書く
    2. 「完了」ではなく「前進」の証拠を拾う
  15. ToDoneを続けるための、現実的なミニテンプレ
    1. 1日テンプレ(最小)
    2. 仕事が多い日テンプレ
    3. しんどい日テンプレ
  16. おわりに:増やさないほうが、回ることがある

ToDoが増えるほど、心がすり減るのは普通のこと

ToDoリストが役に立つ日もあります。やるべきことが明確で、期限も見えていて、体力と時間に余白があるとき。そういう日は、ToDoが地図になってくれます。

でも現実は、だいたいその逆です。

  • 予定外の割り込みがある
  • タスクの粒度がバラバラ(大きい仕事と細かい雑務が混ざる)
  • 締切が曖昧、または複数
  • 体力・気力が一定じゃない
  • 誰かの返事待ちで止まる
  • 途中で仕様が変わる
  • やること自体が増えていく

この状態でToDoを“真面目に”運用しようとすると、リストが「手助け」ではなく「責める道具」に変わりやすい。

チェックが付かない項目が増える
→ 終わってない事実が可視化される
→ 罪悪感が増える
→ さらにリストを整備する
→ しかし現実は変わらない
→ 罪悪感が増える

ToDoが悪いわけじゃない。「終わってないものを並べ続ける方式」が、今の自分の心身の状態に合っていないだけなんです。

そこで発想をひっくり返します。


ToDoneは「やったこと」だけを書く。だから回復する

ToDone(トゥードゥン)は、文字通り「やったことリスト」です。
ToDoと違って、未来の約束を書かない。過去の事実だけを書きます。

これがメンタルに効く理由はシンプルです。

1) 脳は「未完了」を強く記憶する

人は終わっていないことほど気になります。
心理学でよく知られる現象(未完了のほうが記憶に残る)として説明されることもありますが、体感としてもわかりやすいはずです。

終わったことは忘れる。
終わってないことは、脳が見張り続ける。

ToDoneは、終わったことを“あえて記録して”、脳に「もう見張らなくていい」と知らせます。

2) 自己評価の材料が、足りなさから前進に変わる

ToDo中心だと、評価軸がこうなりがちです。

  • できてない
  • 遅れてる
  • 足りない
  • もっとやらなきゃ

ToDone中心だと、評価軸がこう変わります。

  • ここまで進んだ
  • 意外とやってる
  • 現実の中で回した
  • 次に必要なのはこれ

結果として、気持ちが落ち着いて、次の一手が出やすくなります。

3) 「頑張ったのに報われない感」を減らす

現実には、やったのに成果が見えない日が多いです。

  • 調整した
  • 返信した
  • 直した
  • 片づけた
  • 伝えた
  • 待った
  • 迷った末に決めた

こういう行動は、ToDo上だと「消える」ことが多い。
だから、「今日何もできなかった」になりやすい。

ToDoneは、こういう“見えにくい仕事”をちゃんと残せます。
それだけで、報われなさが少し和らぎます。


ToDoneの基本ルールは「小さく・雑に・続ける」

ToDoneは丁寧さより継続が効きます。
ルールは3つだけで十分です。

1) 1行1アクションで書く

  • 返信した
  • 洗濯機回した
  • 資料を開いた
  • 5分だけ見直した
  • ゴミをまとめた

このレベルでOK。
「成果」じゃなく「行動」の記録です。

2) 時系列で並べる(重要)

ToDoのように並び替えない。
時系列は、現実の流れをそのまま残します。

「割り込みだらけだった」
「午前は頭が動かなかった」
「夕方から乗った」

そういう“その日のコンディション”も含めて残るから、振り返りに使える。

3) 1日の終わりに“まとめ”を書かない

反省会を始めやすい人ほど、「まとめ」が罠になります。

  • 結局これができなかった
  • もっとできたはず
  • だめだった

ToDoneは、まとめないほうが効く。
必要なら、最後に一行だけ。

  • 明日の最初は「A」から
  • 今日はここまでで十分

それだけで充分です。


書く場所はどこがいい?続く形にするコツ

ToDoneは、フォーマットより「開きやすさ」が大事です。

スマホのメモアプリ(最強)

  • すぐ開ける
  • 検索できる
  • 1行追記が楽

おすすめは「日付+箇条書き」だけの最小構成。

例:

  • 12/25
    • 9:10 返信(A社)
    • 9:30 仕様確認メモ
    • 10:05 皿洗い
    • 10:20 5分だけ資料を開く
    • 11:00 送付
    • 13:10 休憩
    • 14:00 30分作業
    • 15:40 依頼の条件確認

ノート(書くことで落ち着く人向け)

手を動かすと不安が減るタイプなら紙も強い。
ただし、持ち歩かないと空白が増えがちなので、家と外の導線に注意。

PCのテキスト(仕事用ログと相性がいい)

エンジニア・PjM系の人は、日報や作業ログとして相性がいい。
「やったことの証拠」がそのまま説明責任にもなる。


うまくいく人がやっている「ToDoneの粒度」調整

ToDoneでつまずく最大の原因は、粒度が合ってないことです。

粒度が大きすぎると、書けない

  • PRD作成
  • 企画整理
  • 家事を全部
  • 運動する

これだと、着手しても「まだ終わってない」になって書けません。

分割して、途中でも書ける形にします。

  • PRDの目次だけ書いた
  • 前提条件を箇条書きした
  • 5分だけ洗い物した
  • ストレッチを1分だけした

ToDoneは“途中を肯定する”ためにあるので、途中で書ける形が勝ちです。

粒度が小さすぎると、逆に疲れる

  • ペンを持った
  • 立ち上がった
  • 画面を見た

ここまで細かいと、記録が目的になりがち。

目安は「後から見て、何をした日かわかる」くらい。
小さくしていいけど、意味は残す。


「今日は何もできなかった日」にこそ効く使い方

ToDoneが最も効くのは、実は“だめだった日”です。

だめな日のToDoneは、救急箱みたいに使う

だめな日は、達成の記録ではなく「生存の記録」になります。

  • 起きた
  • 顔洗った
  • 水飲んだ
  • 連絡一本だけ返した
  • 外に出て空気吸った
  • 10分横になった
  • 風呂入った

それでいい。
むしろそれが、今のあなたに必要な記録です。

“ちゃんとできなかった”を強化するより、
“最低限を回した”を残すほうが、次の日の回復が早くなる。


仕事で使うToDone:評価されにくい仕事ほど残す

仕事のToDoneは、単なる自己管理以上の価値があります。
特に「調整」「確認」「伝達」「待ち」など、成果が見えにくい仕事。

見えにくい仕事の例

  • 仕様の矛盾を見つけた
  • 認識合わせをした
  • 論点を整理した
  • 未決事項を洗い出した
  • 依頼の条件を聞き返した
  • 事故りそうなポイントを先に潰した
  • “今は決めない”判断をした
  • 関係者に説明した
  • 返事待ちを管理した

こういうのは、ToDoだと「雑務」になりやすい。
でも実際は、プロジェクトを前に進めるための要の行動です。

ToDoneに残しておくと、

  • 自分がちゃんと前に進めていた実感
  • 振り返りの材料(何が詰まりやすいか)
  • 週報・日報のネタ
  • 上司や関係者への説明の軸

になって、じわじわ効いてきます。


家事・生活で使うToDone:終わりがないものに効く

家事は、終わっても終わりません。
やった瞬間から、また始まる。

だからこそ、ToDo方式だと虚しさが増えやすい。

ToDoneは、終わりのないものに「区切り」を作れます。

家事ToDoneの書き方例

  • 洗濯回して干した
  • 食器をまとめた
  • 冷蔵庫の中を1段だけ拭いた
  • ゴミを集めた
  • 玄関だけ掃いた
  • 日用品を補充した

全部やらなくていい。
“やった部分”を残すだけで、「私は回してる」が戻ってきます。


ToDoneが続かない人の典型パターンと、現実的な対策

パターン1:書くのを忘れる

対策:書くタイミングを固定する
おすすめは「切り替わり」に紐づけること。

  • PCを開いたら1行
  • 会議が終わったら1行
  • 昼ごはんの前に1行
  • 風呂の前に1行

思い出したときにまとめて書くより、切り替わりで1行が続きます。

パターン2:書いても虚しい

対策:成果を書こうとしている可能性
ToDoneは成果じゃなく行動を書く。
「進んでない」のではなく、「進むための行動をした」を残す。

  • 迷った
  • 調べた
  • 話を聞いた
  • 条件を揃えた

このへんが書けると、虚しさが減ります。

パターン3:結局ToDoも必要になる

必要な日もあります。
ToDoneはToDoを完全に否定するものじゃない。

ただ、混ぜると疲れるので、分けます。

  • ToDo:今日の最小3つだけ(固定)
  • ToDone:その日やったこと(自由)

ToDoを“増やさない”のがポイント
増やしたくなったら、ToDoneに吸収します。


ToDoを増やさないための「3つだけルール」

ToDoneをやっていると、ToDoを増やしたくなる瞬間が来ます。
そのときのためのルールです。

1) ToDoは「今日の最小3つ」だけ

  • 返信1件
  • 重要タスクの着手5分
  • 生活の最低限1つ

これだけ。
他はToDoneに書く。

2) “思いついたこと”はToDoにしないで、保管箱へ

思いつきは、未来の自分への押し付けになりがち。
メモとして残すのはOK。でも、ToDoにしない。

  • いつかやる箱
  • 気になる箱
  • アイデア箱

この箱に入れて、今日の自分は守ります。

3) 「今やらない」決定もToDoneに書く

ToDoneは、やっただけじゃなく、決めたことも残せます。

  • 今日はここまでにする、と決めた
  • Aは明日に回す、と決めた
  • これは今やらない、と決めた

決めたことは、行動です。
これが書けると、自己否定がぐっと減ります。


ToDoneを“メンタルの安全装置”にする運用

ここからは、もう少しメンタル寄りの使い方です。
ToDoneは、気分が落ちる前に効く「安全装置」になります。

落ちる前のサインをToDoneに混ぜる

気分が落ちるとき、突然落ちるように見えて、実は予兆があります。

  • 寝不足
  • 食べてない
  • 予定詰めすぎ
  • 返事待ちが多い
  • 比較してSNSを見た
  • 休憩なし
  • 体が冷えてる
  • 片づけが崩れている

これを、責めるためじゃなく“観察”としてToDoneに残します。

例:

  • 12:30 何も食べずに会議3本目(疲れ)
  • 15:00 体が冷えてる、上着追加
  • 18:20 SNS見て焦り増(閉じた)

こういう記録は、「私が弱いから」ではなく
「条件が揃うと落ちやすい」という再現性をくれます。


週1回だけでいい「ToDone振り返り」のやり方

毎日振り返りをすると、反省会になりやすい人もいます。
そういう人ほど、週1回がちょうどいい。

見るのは3つだけ

  • よくやってた行動(繰り返し出てくるもの)
  • しんどくなる条件(落ちる前のサイン)
  • 来週ラクにする工夫(1個だけ)

ここでも「改善案を10個出す」みたいなことはしません。
1個だけでいい。

例:

  • 来週は、昼前に一口でも食べる
  • 夕方のSNSだけやめる
  • 会議の前後に水を飲む
  • 返信テンプレを作る

“改善”より“摩擦を減らす”が合っています。


仕事が忙しい人向け:ToDoneを「説明責任」に変える

忙しい職場ほど、見えない仕事が増えます。
そのときToDoneは、自分を守る証拠になります。

週報への変換が簡単になる

ToDoneがあれば、週報はこう作れます。

  • 今週やったこと(ToDoneから抜粋)
  • 進捗(何がどこまで進んだ)
  • 課題(詰まっている理由)
  • 次週(最小の次の一手)

これは、心のためだけじゃなく、仕事のためにも効く。

「やってない」ではなく「こういう理由で止まっている」を言える

ToDoneを見返すと、止まっている原因が見えることがあります。

  • 返事待ちが多い
  • 仕様が曖昧
  • 調整が必要
  • 優先度が変わった
  • 判断待ち

この場合、努力不足ではなく、構造の問題です。
構造が見えれば、次の手が変わります。


それでも焦りが消えないときの、ToDoneの使い方

ToDoneを書いても焦りが消えない日もあります。
そんなときは、やり方を変えます。

「量」ではなく「回復」を書く

焦りが強い日は、やったことが多くても満足できない。
そういう日は、回復行動をToDoneに入れます。

  • 10分歩いた
  • 温かいもの飲んだ
  • 目を閉じた
  • 5分だけ外気
  • 今日は早めに切り上げた

回復行動は、さぼりじゃなくて維持活動。
長期的には一番効率がいい。

「完了」ではなく「前進」の証拠を拾う

  • 目次を書いた
  • 最初の1段落を書いた
  • たたき台を作った
  • 方向性を決めた
  • 判断材料を集めた

完了が難しいタスクほど、前進の証拠を残すと気持ちが落ち着きます。


ToDoneを続けるための、現実的なミニテンプレ

最後に、迷わず続けるためのテンプレを置いておきます。
このままコピペして使える形。

1日テンプレ(最小)

  • 今日のToDone

仕事が多い日テンプレ

  • 連絡・調整
  • 作業
  • 判断・整理
  • 回復(維持活動)

しんどい日テンプレ

  • 生存
  • 最低限
  • できたこと

おわりに:増やさないほうが、回ることがある

ToDoを増やすほど、真面目な人は苦しくなりやすい。
それはあなたの弱さではなく、やり方の相性の問題です。

ToDoneは、現実の中で「回した」ことを、ちゃんと残します。
小さな行動を証拠として積み上げることで、焦りと自己否定の燃料を減らし、次の一手を出しやすくする。

今日から完璧にやらなくていい。
思い出したときに、1行だけ。

  • いま、これをやった
  • ここまで進んだ
  • 今日はこれで十分

その積み重ねが、気持ちの足場になります。

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