季節が変わるころや、ある決まった時期になると、理由がはっきりしないのに気持ちが沈みがちになることがあります。
「またこの季節が来たな」「今年もなんとなくしんどいな」と、前から分かっているのに、うまい対処法が見つからないまま過ぎてしまうことも多いかもしれません。
この記事では、
- なぜ特定の季節に気持ちが沈みやすくなるのかを、やわらかく言葉にする
- 「がんばって乗り切る」のではなく、「自分を守りながら過ごす」ためのヒントを見つける
- 1日の過ごし方・予定の入れ方・情報との付き合い方・家での時間の工夫など、具体的な過ごし方を考える
- 「何もできない日」になってしまったときの、自分への接し方を整え直す
ことを、ゆっくり整理していきます。
すべてを一度にやる必要はありません。
どれか一つでも、「これならできそう」と感じたものがあれば、それだけで十分です。
「この季節はしんどくなりがちだからこそ、少しだけ自分に優先席をゆずってあげる」
そんなイメージで、読み進めてもらえたらと思います。
「この季節になるとしんどい」を、そのまま認めてみる
まずは、「季節と気分」の関係を、静かに見つめてみます。
理由は説明できなくても、「毎年なんとなく」がある
こんな感覚、心当たりはないでしょうか。
- 曜日や仕事量は変わらないのに、この季節だけ妙に疲れやすい
- 朝起きた瞬間から、何となく気分が重い日が続く
- いつもなら流せることに、過敏に反応してしまう
- 夕方になると、寂しさや不安がじわっと増してくる
頭では
「気のせいかもしれない」
「みんなも同じくらい疲れてるはず」
と思おうとしても、体と気持ちは正直です。
- 日照時間が変わる
- 気温や湿度が変わる
- 周りの雰囲気(年度替わり・長期休暇・イベント)が変わる
そういったものが積み重なると、
「ちゃんとした理由は説明できないけれど、しんどい」という状態になりやすくなります。
「弱いから」ではなく、「影響を受けやすいだけ」
ここで一つだけ、はっきりさせておきたいことがあります。
季節で気分が動きやすいのは、
「メンタルが弱いから」でも
「やる気がないから」でもなく、
単に
「気候や環境の変化から影響を受けやすいタイプ」
というだけのことです。
人によって、
- 気温差に敏感な人
- 気圧の変化に弱い人
- 明るさや音に影響を受けやすい人
がいるように、
季節や空気の変化に心が反応しやすい人もいます。
それは性格の欠陥ではなく、体と心の「特徴」です。
「ああ、私はこの季節はちょっと沈みやすいんだな」
と、まずはラベルを貼るように認識してあげるところから始めてみましょう。
「がんばる」を増やすのではなく、「エネルギーの流出」を減らす
季節的にしんどい時期は、
新しいことをたくさん始めるよりも、
「いつもの生活の中で、どこから自分のエネルギーが漏れているか」
を見直してみるのがおすすめです。
無意識に消耗しているポイントを探してみる
たとえば、こんなところに心と体のエネルギーが使われているかもしれません。
- なんとなくSNSやニュースを眺め続けて、気づけば気分が落ちている
- 行きたくない飲み会や誘いを、断れずに予定に入れてしまう
- 家に帰ってからも仕事のチャットやメールを何度も確認してしまう
- 寝る直前までスマホの強い光を浴びて、眠りが浅くなる
これらは「頑張っている」つもりがなくても、
じわじわと消耗を増やしてしまう行動です。
しんどい季節に合わせてやりたいのは、
「もっと頑張る」ではなく、
「無意識の消耗ポイントを少しずつ減らしていくこと」。
そのために、1日の流れを朝・昼・夜に分けて、
できる工夫を考えてみましょう。
朝:一日の始まりを「加点方式」にしてみる
気持ちが沈みやすい季節は、
**朝の過ごし方がその日一日の“ベースの濃度”**を左右しやすくなります。
「できなかったこと」ではなく、「できたこと」からスタート
しんどいときほど、朝から自分に厳しくなりがちです。
- 「今日こそ早起きできなかった」
- 「また朝ご飯をちゃんと用意できなかった」
- 「ストレッチやるつもりだったのに、気づいたら時間ギリギリ」
そうやって、スタート直後から自己嫌悪を重ねてしまうと、
一日中「遅れを取り戻さなきゃ」という気持ちに追われてしまいます。
そうではなく、
「今日は顔を洗って、ちゃんと着替えられた」
「バタバタしながらも、飲み物だけは口にできた」
など、どんなに小さなことでも、
「できたこと」から数えてみる習慣を作ってみてください。
「完璧な朝」じゃなくていい。
「自分なりにスタートを切れたポイント」を探せれば十分です。
光と温度を、少しだけ意識してみる
気持ちが沈みやすい季節は、
- カーテンを少し大きめに開ける
- 朝いちばんで部屋を少し暖める(または涼しくする)
- 顔を洗うときに、好きな香りの石けんや洗顔料を使う
など、**「光」「温度」「香り」**のどれか一つを意識して整えてみるのも効果的です。
「ちゃんと朝活をする」まではいかなくても、
「目と肌と鼻に、『朝だよ』とやさしく知らせてあげる」
そんなイメージで、
小さなルーティンをひとつだけ持っておけると、
その日一日の“底”が少し上がります。
日中:気力がない日の「小さなセーフティネット」を用意する
日中の時間は、仕事や家事、育児などで、
自分のペースだけでは進まないことが多いかもしれません。
だからこそ、
「調子が悪い日でも、最低限ここまでできていればOK」
という**“小さなセーフティネット”**を決めておくと安心です。
タスクの「本丸」と「おまけ」を分けてみる
たとえば仕事なら、
- どうしても今日やらないと困ること(本丸)
- できたらやりたいこと(おまけ)
に分けてみます。
しんどい季節は、
「おまけ」を削る勇気も大事です。
- 本丸タスクを先に片づけて、残りの力と相談しながらおまけを選ぶ
- どうしても無理な日は、おまけは翌日にまわす
そんなふうに、
「完璧に全部こなす日」よりも、「傷を広げない日」を増やすイメージで過ごしてみてください。
昼休みを「回復のための時間」として扱う
忙しいと、昼休みを削って仕事をしてしまいがちですが、
季節的にしんどい時期こそ、
「昼休みは、午後を生き抜くためのチャージ時間」
と位置づけてあげたいところです。
- 外に出られそうなら、数分だけでも外気を吸う
- デスクで過ごすときも、5分だけ目を閉じて休む
- スマホでニュースやSNSをだらだら見るのではなく、ゆっくり飲み物を味わう
など、
「何かをインプットし続ける時間」から、「何もしない時間」に切り替えてみる。
特に気持ちが沈みやすい時期は、
「情報の食べ過ぎ」でさらに疲れてしまうことが多いので、
昼だけでも“情報断ち”をするのは、とても守りになる習慣です。
夕方〜夜:一日を「締め切る」ための小さな儀式をつくる
気持ちが沈みやすい季節は、
夕方から夜にかけて、なんとなく不安や寂しさが増してくることがあります。
仕事のスイッチをオフにする「一区切り」を決める
在宅勤務やスマホの普及で、
仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちです。
しんどい時期ほど、
「ここから先は、もう今日の仕事のことは考えない」
というラインを、
「時間」か「行動」で区切っておくのがおすすめです。
例:
- 帰宅して靴を脱いだら、仕事のチャットは見ない
- 夜◯時以降は、メールを開かない
- 夜ご飯を食べ終わったら、今日の仕事は一旦終了と決める
もちろん、現実には「どうしても」の用件もあるかもしれません。
それでも、
「例外はあっても、基本ルールはこれ」
というものを一つ持っておくだけで、
心の疲れ方はだいぶ変わります。
夜に「自分を責める時間」を伸ばしすぎない
夜はどうしても、一日を振り返ってしまいやすい時間帯です。
- 「あのとき、ああ言えばよかった」
- 「もっとちゃんとできたはずなのに」
- 「また同じことで悩んでる」
そんな考えがぐるぐる回り始めたら、
「一人反省会」が長くなりすぎているサインかもしれません。
そこでおすすめなのが、
「1日のうち、『考えごとタイム』は10〜15分だけと決める」
ことです。
- ノートやスマホに、「今日気になっていること」を箇条書きする
- そのうち、「自分でコントロールできること」と「できないこと」を分けてみる
- 「今日はここまで」と線を引いて、ノートを閉じる
「考えること」は大事ですが、
「考え続けてしまう時間」を区切ることも同じくらい大事です。
家の中を「休むための場所」に少し寄せてみる
気持ちが沈みやすい季節は、
家が「ただ帰る場所」ではなく、
「自分を回復させるためのベース」
になってくれると、かなり心強くなります。
大きく模様替えをしなくても、
できる範囲での工夫をいくつか挙げてみます。
光の色と明るさを少しだけ意識する
- 寝る前の1〜2時間は、暖色系のやわらかい光を使う
- 間接照明やスタンドライトを一つだけでも置いてみる
- 強い白色蛍光灯を、必要な時間以外は消してみる
それだけでも、
目と頭の緊張がやわらぎやすくなります。
「おしゃれな部屋」にしようとしなくて大丈夫です。
「自分が落ち着いて深呼吸できる明るさかどうか」
だけを基準に、ちょっとずつ変えてみてください。
自分の「安心アイテム」を一つ決めておく
- 柔らかいブランケット
- 好きな香りのハンドクリーム
- 温かい飲み物を入れるマグカップ
- ふわっとした部屋着・パジャマ
どんなものでも構いません。
「これに触れていると、少しほっとするな」
というものを、
自分専用の“お守りアイテム”として決めておくのもおすすめです。
それを使う時間は、
「今日の自分、おつかれさま」
と quietly 伝える合図にもなります。
人との距離感を「ちょうどいい」に近づけてみる
気持ちが沈みやすい季節は、
人との関わり方も少し調整してみると、心が守られやすくなります。
「元気なとき用」と「しんどいとき用」の人を分けて考える
- 元気なときに会うと楽しい人
- しんどいときでも話しやすい人
この二つが、必ずしも同じとは限りません。
沈みやすい季節には、
「今の自分で話しやすいのは誰かな?」
という視点で人を思い浮かべてみてください。
- 結論を急がせないで聞いてくれる人
- 明るく励ましてくれるというより、「そっか」と受け止めてくれる人
- LINEやメッセージだけでもつながっていられる人
そういう相手が一人でもいると、「完全な孤独」からは少し離れられます。
予定を「減らす勇気」と「残す勇気」
沈みがちな季節は、
- しんどい約束を無理に入れない
- どうしても気乗りしない集まりは、断ってもいいと自分に許可を出す
一方で、
- 会うと安心する人との予定
- 心がゆるむ場所(お気に入りのカフェや散歩コース)
などは、一本だけでも残しておく。
「予定を全部ゼロにする」ではなく、
「自分を消耗させる予定を減らし、自分を支えてくれる予定を残す」
このバランスを意識してみてください。
「何もできない日」が来たときの、自分の守り方
どれだけ気をつけていても、
季節によっては「今日はもう何もできない」という日が、どうしても来てしまうことがあります。
そんな日こそ、
「どう過ごすか」より、「どう自分を扱うか」が大事になります。
「何もできなかった」ではなく、「これだけは避けられた」と見る
何もできなかった日の夜、
私たちはついこう考えてしまいます。
- 「今日も何も進まなかった」
- 「また1日ムダにしてしまった」
そんな日は、視点をひっくり返して、
「それでも、やらなかったからこそ避けられた消耗は何か?」
を考えてみてください。
- 無理に出かけなかったから、体力はこれ以上削れなかった
- しんどい相手に会いに行かなかったから、心をすり減らさずに済んだ
- 動けない自分を責めながらも、布団から出られない現実を受け入れた
それはすべて、
「これ以上、悪化させないようにブレーキを踏んだ行動」
とも言えます。
ブレーキを踏んだ自分を、
少しだけ認めてあげられると、
「何もしていない日=ダメな日」
という図が、少しゆるんできます。
「明日の自分へのメモ」を一行だけ残す
何もできなかった日の最後に、
ノートやスマホに一行だけ書いてみるのもおすすめです。
- 「今日はここまでが限界だった。また明日、少しだけ動こう」
- 「とりあえず、ちゃんとご飯(もしくは何か)を口にできた」
- 「この季節はやっぱりしんどい。また気をつけて過ごそう」
それは、
「今日の自分」から「明日の自分」への、バトンのようなものです。
その一行があるだけで、
翌日ゼロから立ち上がるしんどさが、少しだけ軽くなります。
それでもつらいときは、「一人で抱え込まない」選択肢もある
どれだけ生活の工夫をしても、
- 朝起き上がれない日が長く続く
- 眠れない/寝すぎてしまう日が増えている
- 食欲が極端に落ちた・増えた
- 仕事や家事にまったく手がつかない
- 死にたいとまでは思わないけれど、「消えてしまいたい」とふとよぎる
そんな状態が続くときは、
無理して「気の持ちよう」で乗り切ろうとしないでほしいなと思います。
信頼できる人に話してみるのも一つですし、
必要であれば、カウンセリングやメンタルクリニックなど、
専門の人の力を借りるのも大切な選択肢です。
「こんなことで相談していいのかな」
「まだ大丈夫な気がするし…」
と思っている段階で相談しても、全く早すぎません。
季節的に沈みやすいタイプの人ほど、
「しんどさの初期段階」で相談することが、
自分を守る大きな一歩になります。
おわりに:沈みやすい季節だからこそ、自分の味方でいてあげる
気持ちが沈みやすい季節は、どうしても自分に厳しくなりがちです。
- 「こんなことで落ち込んでいたらダメだ」
- 「もっと上手にやれている人もいるのに」
- 「去年も同じことを言ってた気がする」
そんなふうに、自分を追い詰める言葉が浮かんでくることもあるかもしれません。
でも、本当に必要なのはもしかしたら、
「この季節はしんどくなるの、もう知ってるよ」
「それでもここまで来てるだけで、ちゃんと頑張ってるよ」
と、
一番近くで味方になってくれる自分なのかもしれません。
今日この記事を読んでくれたあなたは、
すでに「どうしたら少し楽に過ごせるかな」と考え始めている人です。
その優しさを、まずは自分に向けてあげながら、
- 朝の小さな習慣を一つだけ増やしてみる
- 情報との距離を、少しだけ離してみる
- 予定を「減らす勇気」と「残す勇気」を使い分けてみる
- 何もできない日にも、「ブレーキを踏んだ自分」を認めてみる
そんな一歩から、試してみてもらえたらうれしいです。
季節はまためぐってきます。
そのたびに、
「去年よりほんの少し、自分をうまく守れたかもしれない」
と思えるポイントが、少しずつ増えていきますように。

