ふとした瞬間にやってくる、
「このままでいいのかな」という、はっきりした理由のない不安。
・仕事も生活も大きく崩れているわけではない
・でも、心のどこかで「このまま続けていいのかな」とざわざわする
・かと言って、何をどう変えればいいのかも分からない
そんな“漠然とした不安”を抱えた日は、
「答えを出そう」と焦るほど、余計にしんどくなりやすいものです。
この記事では、
- なぜ理由のない不安がふくらみやすいのか
- 「このままでいいのかな」を、少しだけ具体的な言葉にほぐしていく方法
- ノートやメモを使って、頭の中を整理する手順
- 大きな決断を下さないまま、「今日できる一歩」を見つける考え方
を、ゆっくり整理していきます。
ポイントは、
「人生の正解」を見つけることではなく、
「今日はここまで考えられた」と思えるところまで、そっと言葉にしてみること。
全部をいきなり変える必要はありません。
読んでみて「これならできそう」と感じたものを、一つか二つだけ持ち帰ってもらえたら十分です。
「このままでいいのかな」がふいに押し寄せる理由
何か大きな出来事があったわけでもないのに、
急に胸のあたりがざわざわしてくる日があります。
- 通勤中にふと
- 仕事から帰る道すがら
- 休日の夕方、ふと時計を見た瞬間
「私、このままでいいのかな」
「気づいたら何も変わらないまま、年だけ重ねている気がする」
そんな思いが浮かぶと、
「よし、変えなきゃ」と気合いが入る一方で、
何から手をつければいいか分からず、余計に疲れてしまうこともあります。
この感覚には、いくつか背景があります。
1. 周りと自分を比べる材料が増えすぎている
SNSやネットを開けば、
・転職してやりたい仕事を始めた人
・副業や独立で成果を出している人
・結婚・出産・マイホーム・留学…
さまざまな「動きのある人生」が目に飛び込んできます。
すると、自分の毎日がどれだけ穏やかでも、
どこかで「十分に頑張れていない気がする」「立ち止まっている気がする」と感じやすくなります。
2. 変化が多い時期ほど、「これでいいのか」の声が強くなる
年齢やライフステージに関わらず、
- 仕事の区切り
- 人間関係の変化
- 体力や健康の変化
- 家族や親の状況の変化
などが続くと、「これから先の自分」を意識せざるを得なくなります。
そんなとき、「このままでいいのかな」は、
危険信号というより 「今の自分をいったん見直したい」という心からのサイン でもあります。
3. 「考える時間」ができた瞬間に、不安が顔を出す
忙しくしているあいだは、
細かい不安を感じる隙がありません。
逆に、少し時間や心の余裕ができたとき、
・夕方のぽっかり空いた時間
・仕事の区切り
・長い休みの前後
こうしたタイミングで「このままでいいのかな」が顔を出しやすくなります。
それは、「心に余白ができたからこそ、ようやく浮かび上がってきた声」とも言えます。
いきなり答えを出そうとしない。「整理」と「決断」は別もの
不安が大きくなると、ついこう考えがちです。
・転職したほうがいいのかな
・この人間関係を続けるべきか
・引っ越したほうがいいのか
・何か新しいことを始めなきゃ
でも、疲れているときに「人生単位の決断」をしようとすると、
ほとんどの場合、頭も心もパンクしてしまいます。
まず大事にしたいのは、
「考えを整理すること」と「決断すること」は、別のステップとして扱う
ということ。
今すぐ必要なのは、
- 人生の方向性を変える“答え”ではなく
- 「自分は何に引っかかっているのか」を、少し具体的にしてあげること
です。
決めるのは、
頭の中が少し整理されてからで大丈夫です。
今日やるのは「整理」だけ、と自分に許可を出してあげましょう。
ノートを使って、「このままでいいのかな」をほどいていく
頭の中だけで考えていると、
不安はどんどん形を変えてふくらみます。
そこで役に立つのが、ノートやメモアプリです。
きれいに書く必要も、うまくまとめる必要もありません。
ここでは、シンプルな「3ステップ」の書き方を紹介します。
ステップ1:「このままでいいのかな」を、そのまま書いてみる
まずは、今感じているモヤモヤを、そのまま言葉にしてみます。
ノートにこんなふうに書き出してみてください。
「このままでいいのかな」と思っていること
と一行書いて、その下に箇条書きで続けます。
- 今の仕事をこのまま続けていていいのかな
- 貯金や将来のことを、もっと真剣に考えたほうがいいのかな
- この人間関係(友だち・職場・家族)を、この距離感のままでいいのかな
- 休日の過ごし方、このままでいいのかな
- 自分の健康状態を、このまま放置していていいのかな
ここでは、内容の重さや正しさは気にしなくて大丈夫です。
「このままでいいのかな」と思っている対象を、見える場所に並べること。
それだけで、頭の中の「ただ不安」が、少し輪郭を持ち始めます。
ステップ2:「今すぐ変えたい」と「今は様子見でいい」に分ける
次に、書き出したリストを眺めて、
それぞれに印をつけていきます。
- 「これは、近いうちに何かしら動きたいかも」→ ◎
- 「モヤっとするけど、今すぐは動けない/動かなくていい」→ △
- 「ただ不安になっているだけで、よく考えたら今のままで問題ない」→ ○
たとえば、
- 今の仕事 → ◎(体力的にも精神的にも、今のままはきつい)
- 貯金・将来 → △(気になるけど、すぐに何かを変えるのは難しそう)
- 友だち関係 → ○(実は今のペースがちょうどいい)
- 休日の過ごし方 → ◎(本当はもっとゆっくりしたい)
こうして「重さ」を分けていくと、
“全部が同じ重さで不安”だった状態から、
「特に引っかかっているのはこの辺りなんだな」
と、自分の中の焦点が見えてきます。
ステップ3:◎がついたものだけ、「一歩だけ」考えてみる
ステップ2で「◎」がついたものが、
今の自分が特に気になっているテーマです。
ここでいきなり「どうすべきか」を決めるのではなく、
次の質問だけ、ノートに書いてみてください。
「このテーマについて、
・続いていると何がつらいのか
・こうなったら少しほっとする、という状態はどんな感じか」
例:
◎ 今の仕事
- 続いているとつらいこと
- 毎日残業で、平日に自分の時間がほとんどない
- 成長している感じがあまりしない
- 人間関係がピリピリしている
- 少しほっとする状態
- 毎日でなくても、週に1〜2日は定時で帰れる
- 自分のペースで学べる時間が少し取れている
- 職場の人と最低限穏やかに話せる
この時点で、まだ「転職する/しない」などの大決断は置いておきます。
やるのは、
・何がつらいのか
・どうなったら少し楽か
この2つを、言葉として目の前に置いてみるところまで。
ここまで来られたら、「整理」はかなり進んでいます。
「このままでいいのかな」に飲み込まれそうなときの、考え方のメガネを変える
ノートに書いてみると分かるのは、
「このままでいいのかな」という問いには、
そもそも“絶対の正解”がない ということです。
そこで大事になるのが、
考えるときにかける「メガネ」を少し変えてみること。
ここでは、3つのメガネを紹介します。
メガネ1:「永遠」ではなく「次の1〜2年」で考える
「このままでいいのかな」と考えるとき、
無意識のうちに、
「この先ずっと、この状態が続く」
という前提で想像してしまいがちです。
そこで、問いを少し小さくしてみます。
「この状態が、あと1〜2年続くとしたら、どう感じるだろう?」
- 「正直、1年なら耐えられるけれど、2年と言われるとしんどい」
- 「1年どころか、あと半年でもきついかも」
- 「2年くらいなら、このままでもまあ大丈夫かも」
こうやって、“永遠”ではなく“期間つき”で考えてみる と、
自分の本音が少し浮かび上がります。
そこから、
- 「あと1年は様子を見て、ゆっくり準備しよう」
- 「半年以内に、少なくとも情報収集だけは始めよう」
といった、現実的なスパンの考え方に変えていくことができます。
メガネ2:「全部変える」ではなく「3割変えられたら合格」にする
不安が大きくなると、
・仕事も
・住む場所も
・人間関係も
・生き方そのものも
全部を一度に変えないといけない気がしてしまいます。
でも、現実的に変えられるのは、
いつも全体の一部です。
「このままでいいのかな」と感じたときに使える視点は、
「今の生活の中で、3割くらい変えられたら上出来」
という考え方です。
- 仕事はすぐには変えられないけれど、
→ 働き方や休み方は少し変えられるかもしれない - 住む場所は今は動けないけれど、
→ 休日の過ごし方や行く場所は変えられるかもしれない
「全部を変える」から
「変えられるところを3割探す」へ。
そのほうが、実際に行動に落とし込みやすくなります。
メガネ3:「周り基準」ではなく「自分のラクさ基準」に戻す
「このままでいいのかな」という不安の裏には、
- 世間から見てどうか
- 周りの同年代と比べてどうか
- “ちゃんとしている人”と比べてどうか
といった“外側の基準”が、知らず知らずのうちに入り込んでいます。
そこで、一度こう問い直してみます。
「周りや世間抜きにして、今の自分はラクに呼吸できているだろうか?」
- 朝起きたとき、ずっと重たい気分なのか
- 平日に、自分のための時間が一切ないのか
- 休日が来ても「また同じ一週間が始まる」と絶望してしまうのか
外側ではなく、
自分の体と心がどう感じているか を基準にすると、
・人から見たら悪くなさそうでも、自分にとってはしんどい
・人から見たら地味でも、自分にとっては案外心地いい
といったことが見えてきます。
「このままでいいのかな」の答えは、
本当は、外側ではなく内側にあるはずです。
「今日できること」を一つだけ決める
ここまで整理していくと、
たぶん頭の中には、
- すぐには変えられないこと
- 時間をかけて向き合っていきたいこと
- 今日からでも少し変えられそうなこと
が混ざって見えてくるはずです。
最後にやってみたいのは、
「今日できること」をひとつだけ決めてみる こと。
たとえば、こんな小さなもので構いません。
- 気になっていた仕事の求人サイトを「お気に入り」に登録しておく
- お金の不安があるなら、まずは口座残高を書き出してみるだけにする
- いつも付き合いすぎてしまう誘いを、ひとつ丁寧に断ってみる
- 休日の予定を、ひとつだけ「自分のための時間」に入れ替えてみる
- 夜30分だけ、スマホではなく本や音楽にあててみる
ポイントは、
「これができたら、今日の自分には丸をつけていい」
と自分に約束できるくらい、
かなり小さな一歩にすること です。
大きな目標をたてるより、
「今日の一歩」を決めてあげるほうが、
不安に押しつぶされずに前に進みやすくなります。
おわりに:「このままでいいのかな」と問いかける自分は、もう動き始めている
「このままでいいのかな」という不安は、
ときに苦しくて、面倒で、
できることなら感じたくないものかもしれません。
でもそれは同時に、
- 今の自分をちゃんと見てあげようとしている
- この先の自分にも、ちゃんと責任を持とうとしている
そんな、まじめさと優しさの表れでもあります。
今日、この記事をここまで読んだこと自体が、
すでにひとつの「動き」です。
- ノートに2〜3行書いてみる
- 「このままでいいのかな」と思っていることを箇条書きにしてみる
- その中から、「今日できること」をひとつだけ選んでみる
それくらいのペースで十分です。
人生の大きな答えは、
今日一日で出るものではありません。
でも、
「今日はここまで考えられた」
「今日はここまで言葉にできた」
「今日はこんな小さな一歩が踏み出せた」
そんな積み重ねが、
気づいたときに「以前より、少しはこの道でよかったと思える自分」を育ててくれます。
「このままでいいのかな」と問いかけてしまう自分ごと、
少しだけやさしく抱えながら、
明日の一歩を決めてあげられますように。

