10代・20代のころは、「友だちは多いほうがいい」と思っていた。
30代では、仕事や家庭に追われながらも、なんとか人間関係を広く保とうとしてきた。
そして40代・50代。
気づけば、体力も気力も有限 だとはっきり分かってきて、
「付き合いは広いのに、心からホッとできる相手は何人いるんだろう?」
そんなモヤモヤが顔を出しやすくなります。
- グループLINEだけは続いている
- 年に1〜2回会う“義理の飲み会”がなんとなくしんどい
- 昔のノリのまま話しているけれど、本音はあまり出せない
一方で、
「この人と話すと、肩の力が抜ける」「気を遣わなくていい」
そんな相手も、確かにいてくれる。
40代・50代の友だちづき合いは、
「どれくらい多いか」より、「どれだけ深く、安心していられるか」 のほうが
自分の暮らしに与える影響が大きくなっていきます。
この記事では、
- なぜこの年齢になると「広さ」がしんどくなるのか
- 友だちの定義をアップデートする視点
- 具体的に「深めたい人」を選び、関係を育てていくステップ
- うまく合わなくなってきた関係のゆるめ方
などを、「広さ」から「深さ」へ、少しずつシフトしていく10のヒントとしてまとめました。
全部を一度にやる必要はありません。
読んでみて「これならやれそう」「自分にも合いそう」と感じたものを、
ひとつかふたつだけ選んで、明日から少しずつ試してみてください。
- 40代・50代の「友だち」にまつわるモヤモヤ
- ヒント1:友だちの「定義」を、今の自分仕様にアップデートする
- ヒント2:いまの人間関係を「3つの輪」に描き出してみる
- ヒント3:「大事にしたい相手」をあえて“少人数”に絞る勇気を持つ
- ヒント4:「深めたい人」との時間は、“頻度”より“質”を大事にする
- ヒント5:グループLINEや「なんとなくの集まり」との距離のとり方を決める
- ヒント6:合わなくなってきた友だちとの関係を、“ゆっくり薄める”という選択肢
- ヒント7:40代・50代からの「新しい友だち」の作り方を少し柔らかく考えてみる
- ヒント8:昔の友だちとの関係を、「今の自分たち仕様」に更新する
- ヒント9:「友だち運」に任せすぎず、自分から“深さ”の合図を出してみる
- ヒント10:いちばん長く付き合う「友だち」は、自分自身だと知っておく
- おわりに:“広さ”の時代を通り過ぎた自分だからこそ、選べる友だちづき合いがある
40代・50代の「友だち」にまつわるモヤモヤ
40代・50代になると、多くの人が、友だちづき合いにこんな揺れを感じ始めます。
- 若いころの友だちとは、会うと楽しいけれど、価値観にズレも出てきている
- 子ども・介護・仕事など、それぞれの事情が違いすぎて、頻繁には会えない
- SNSでは“つながっている”けれど、実際に会うことは少ない
- 「久しぶりに会おう」と言いつつ、日程調整のたびに疲れてしまう
さらに、こんな本音もあります。
- 「この関係、正直もう前のようには戻らないかも」と感じている
- でも、距離を置いたら「冷たい人」と思われるかもしれない
- 一方で、今の自分と合う新しいつながりも欲しい
友だちづき合いは、
仕事のように明確なゴールもなければ、
家族のような“契約”があるわけでもありません。
だからこそ、「なんとなく続いている」「なんとなく合わせている」関係が増えやすく、
そこで消耗してしまうこともあります。
一方で、
本当に安心して話せる数人がいるだけで、
日々のしんどさの受け止め方は大きく変わります。
ここからは、「広さ」重視だったこれまでから、
“深くつながれる相手を大事にする”ほうへ視点を動かしていくヒント を見ていきます。
ヒント1:友だちの「定義」を、今の自分仕様にアップデートする
まず最初のステップは、
そもそも自分にとっての「友だち」を、改めて定義し直してみることです。
10代・20代のころは、
- クラスで一緒にいる
- サークル・部活で仲がいい
- とにかくよく遊ぶ
といった「一緒に過ごす時間の長さ」が基準になりがちでした。
ですが40代・50代になると、
人生の環境もばらばらで、会える頻度も限られてきます。
このタイミングで、こんなふうに考え方を変えてみてもいいかもしれません。
・頻繁に会えるかどうかよりも
・会ったとき、自分らしくいられるかどうか
・話題の派手さよりも
・沈黙も含めて心地いいかどうか
紙やノートに、
「今の自分にとって、友だちってどんな存在だといいだろう?」
と書き出してみるのもおすすめです。
- 本音を言っても嫌われない相手
- いいところも弱いところも両方知っていてくれる人
- 頻繁に会えなくても、心の中で“味方”だと思える人
こうやって、「数」ではなく「質」で定義し直しておくと、
これからの選び方・付き合い方の基準が、少しずつ自分の中にできていきます。
ヒント2:いまの人間関係を「3つの輪」に描き出してみる
次に、今あるつながりを、いったん “見える化” してみましょう。
ノートに、自分を真ん中に描いて、そのまわりに3つの輪を描きます。
- 一番内側の輪:
「この人たちは、これからも大事にしたい」と思える人 - 真ん中の輪:
会えば楽しいし嫌いではないけれど、「距離感を調整したい」と感じる人 - 一番外側の輪:
「過去のご縁として感謝しつつ、今は無理に維持しなくてもいいかも」と思う人
そこに、思いつくままに人の名前やグループを置いてみます。
(名前が浮かびにくい人は、イニシャルやグループ名でもOKです)
ポイントは、正しさよりも「今の自分の感覚」を優先すること。
- 付き合いの長さ
- 会う頻度
- SNS上の距離
ではなく、
「この人といると、今の自分はどう感じるか」
だけを頼りに置いてみてください。
やってみると、
- 意外と「大事にしたい輪」に入る人は少ない
- 「なんとなく続けている」関係が真ん中〜外側に多い
など、これまで漠然としていたものが、少しハッキリしてきます。
ここで誰かを切り捨てる必要はありません。
ただ、
「今の自分は、こう感じているんだな」
と気づいておくことが、
この先の「深さ」へのシフトの土台になります。
ヒント3:「大事にしたい相手」をあえて“少人数”に絞る勇気を持つ
前のステップで描いた一番内側の輪。
そこに入ってくる人は、おそらく 両手で数えられるくらい ではないでしょうか。
40代・50代の友だちづき合いで大切なのは、
この「内側の輪」に誰を置くかを、意識的に選び取ることです。
- 一緒にいるとき、頑張って明るく振る舞わなくていい人
- 自分の弱さや情けなさも、笑わず受け止めてくれる人
- 久しぶりに会っても、関係をやり直さなくていい人
そういう相手が、
たとえ1〜3人でもいてくれたら、それは大きな財産です。
ここで大事なのは、
「この人を内側に置いたら、他の人に失礼かな?」
と考えすぎないこと。
心の中でどの輪に置いているかは、
誰かに話す必要はありません。
自分の中でそっと決めておくだけでいいのです。
「内側に置いた人だけを大事にする」のではなく、
「この人たちとは、今後意識的に“深さ”を育てていこう」
と、自分の方針を決めておく。
それだけでも、日々の優先順位が少し変わってきます。
ヒント4:「深めたい人」との時間は、“頻度”より“質”を大事にする
40代・50代になると、
みんな仕事・家庭・健康・親のこと…と、
さまざまな事情を抱えています。
どんなに仲の良い相手でも、
月1で会うのが難しい、ということも珍しくありません。
そこで、「頻度」より「質」 を大事にする発想が役立ちます。
短い時間でも「ちゃんと会う」
たとえば、
- 仕事帰りに1時間だけお茶をする
- ランチを1回、じっくり話すために使う
- オンラインでもいいから、お互い顔を見て近況を話す時間を作る
など、「長時間がっつり会う」ことにこだわらず、
“この時間はお互いのために使う”と決めた時間 を持つ。
そのとき、
- 近況報告をするだけで終わらず、「本音」や「今悩んでいること」を少し話してみる
- 相手の話も、「ふーん」で流さず、ちゃんと耳を傾けて質問してみる
といったことを意識してみると、
短時間でも「会ってよかったな」と感じやすくなります。
メッセージの使い方を変えてみる
LINEやメッセージも、「連絡手段」だけでなく、
深さを育てるツールとして使えます。
- 相手の誕生日や記念日に、少し長めのメッセージを送る
- 「最近こんなことがあってさ」と、自分の弱音も含めて共有してみる
- 相手が落ち込んでいそうな時期に、「どうしてる?」と一言だけでも気にかける
ここで大事なのは、
「きれいなことだけを送らない」こと。
弱さや迷いも含めてやり取りできる関係は、
時間をかけて深くなっていきます。
ヒント5:グループLINEや「なんとなくの集まり」との距離のとり方を決める
40代・50代の友だちづき合いで、
意外と心と時間を消耗させがちなのが、
- 昔の仲間のグループLINE
- 義理で続いている飲み会・集まり
です。
もちろん、楽しいときもあります。
でも、「正直、今の自分とは少しフェーズが違うかも」と感じながら、
惰性で参加していることもあるかもしれません。
グループLINEは「見るだけ参加」もありにする
グループLINEに対しては、
自分なりのルールを決めてしまうのも一つです。
- 全てにリアクションしなければいけない、と思わない
- 「読んでるよ」のスタンプだけの日があってもいい
- しばらく読む専(見るだけ)でもOK、と自分に許可を出す
特に、愚痴やマウントが多いグループは、
見るだけでも疲れることがあります。
そんなときは、
- 通知をオフにする
- 見るのは1日に1回、自分のタイミングにする
など、「向こうのペース」ではなく
「自分のペース」で付き合う 形に変えていくことが大切です。
義理の集まりは「年◯回まで」と決める
- 正直あまり気乗りしないけれど、断りづらくて行ってしまう会
- 行った後、どっと疲れて帰ってくる会
については、
「年に◯回まで」 と自分の中で上限を決めてしまうのも手です。
たとえば、
- 元同僚との大人数飲み会は、年1回まで
- ママ友・パパ友との飲み会は、「どうしても行きたいときだけ」
そのうえで、招待が来たときに、
「今年の枠、もう使ってるかな?」
と自分に確認してみる。
「枠が埋まっているから、ごめんね」と
自分に対して言えるようになると、
少しずつ「広さを維持するための付き合い」から自由になっていきます。
ヒント6:合わなくなってきた友だちとの関係を、“ゆっくり薄める”という選択肢
長く続いてきた友だちの中には、
この年代になって、こんな違和感を覚える相手もいるかもしれません。
- 話していると、いつも疲れてしまう
- 価値観が大きくズレてきた
- 相手のペースや言動に、以前より強くモヤっとする
ここで多くの人が悩むのは、
「完全に距離を置く」か、「前のように頑張って合わせる」か
の二択で考えてしまうことです。
実は、その間に、
「ゆっくり薄める」 という選択肢もあります。
ゆっくり薄める、というのはどういうことか
- 誘われたら、行きたいときだけ行く(すべてに参加しない)
- 自分から積極的に誘う頻度を、少しずつ減らしていく
- 会う時間を短めにしてみる(ランチだけ、カフェだけなど)
など、「ゼロ」にするのではなく、
自分にとって無理のない距離感に調整していく ということです。
相手に「あなたとはもう合いません」と宣言する必要はありません。
ただ、自分の心の中で、
「この関係は、以前よりも少し外側の輪に移したい」
とそっと位置を変えておく。
そうすると、
「この人とは、このくらいの頻度と距離で関わるのが、今の自分にはちょうどいい」
という落としどころが見つかることもあります。
ヒント7:40代・50代からの「新しい友だち」の作り方を少し柔らかく考えてみる
「広さより深さ」とはいっても、
今の自分と合う新しいつながりが欲しい、
という気持ちも自然なものです。
ただ、若いころのように、飲み会や合コン、学生時代のようなノリで友だちを作ることは、
現実的ではないかもしれません。
そこで、40代・50代の「新しい友だちの作り方」は、
“目的や興味の重なり”から自然と育てていく のが合っています。
「続けて通える場所」に身を置いてみる
- 趣味の教室(語学、ヨガ、ハンドメイド、写真など)
- 読書会や勉強会
- 地域のイベント、ボランティア
など、「一度きり」ではなく、
何度も同じ顔ぶれと会う前提の場所 に身を置いてみる。
最初から「友だちを作るぞ」と構えず、
「ここで少しだけ、安心してしゃべれる人ができたらいいな」
くらいの気持ちで参加してみると、
自然と話しやすい相手が見えてくることもあります。
「浅く広く」の出会いから、「深めていきたい人」を選ぶ
新しい場で出会う人の多くは、最初は“知り合い”です。
その中から、
- 話していて気が楽
- 価値観やペースが近そう
- 一緒にいるとき、少しほっとする
と感じる人を、「もう少し話してみたい相手」として、
自分の中でマークしておきます。
そこから、
- 帰り道を一緒に歩いてみる
- ちょっとした近況をLINEでやり取りしてみる
- 「今度よかったら、お茶しませんか」と一言添えてみる
など、半歩だけ距離を縮める行動 をしていくと、
そこから新しい「深い友だち」が生まれることもあります。
ヒント8:昔の友だちとの関係を、「今の自分たち仕様」に更新する
10代・20代からの友だちは、
一緒に過ごした時間が長い分、
“戦友”のような安心感をもたらしてくれます。
その一方で、
価値観やライフステージが大きく変わり、
どこか無理をして昔のノリを続けているように感じてしまうこともあります。
そんなときは、
「昔に戻る」のではなく、「今の自分たちなりの関係」に更新する という考え方が役立ちます。
話題の軸を変えてみる
学生時代の友だちとは、
昔話や恋バナ中心になりがちですが、
- 今大事にしていること(仕事・家族・ひとり時間など)
- この年代だからこその悩み(健康、お金、親のこと)
- 最近始めたこと・やめたこと
といった、「今ここ」の話題 を少しずつ増やしていく。
すると、お互いが「過去の自分」ではなく、
「今の自分」として出会い直すことができます。
会い方のスタイルを見直してみる
- 深夜まで飲むのはしんどい → 昼のカフェやランチメインにしてみる
- 大人数だと疲れる → 少人数で会う機会を作ってみる
- 年に1回の大きな集まりより、2年に1回でもいいからじっくり話す時間を持つ
など、年齢にあったペースとスタイル に変えていくことで、
昔の友だちとの関係も、無理なく続けやすくなります。
ヒント9:「友だち運」に任せすぎず、自分から“深さ”の合図を出してみる
「深い関係」は、自然と勝手に生まれるもの…のように感じますが、
実際には、誰かが少し勇気を出して、“深さの合図”を出していることが多い です。
- 自分の本音を少しだけ打ち明ける
- 弱さや失敗談も、笑い話ではなくそのまま話してみる
- 相手の話に対して、表面的な相槌ではなく、ちゃんと感想や共感を伝える
こうした行動は、
「私はあなたを信頼しているよ」
「ここでは本音を話しても大丈夫だよ」
というサインになります。
もちろん、
すべての相手がそれを受け取ってくれるとは限りません。
中には、深い話が苦手な人もいます。
でも、そのときはそれでOKです。
「この人とは、ゆるいつながりとして付き合っていくんだな」
と位置づけておけばいい。
自分から深さの合図を出してみて、それに応じてくれる相手。
その人たちが、
【“広さ”より“深さ”】にシフトした先で、
あなたが大切にしていく友だちになっていきます。
ヒント10:いちばん長く付き合う「友だち」は、自分自身だと知っておく
ここまで、たくさん「友だち」との関係について話してきましたが、
最後に一つだけ、忘れたくない視点があります。
それは、
人生でいちばん長く付き合う“友だち”は、自分自身
だということです。
40代・50代になると、
- これまでの選択への後悔
- 過去の人間関係での傷
- 「もっとこうしておけばよかった」という思い
も、少しずつ積み重なってきます。
他人からの評価だけでなく、
「自分が自分に向けている評価」 が、心の中で大きな影響力を持ち始めます。
だからこそ、
- 一人で過ごす時間を「さみしい時間」だけにしない
- 日記やメモに、自分の本音を書いてあげる
- 失敗した日にも、「それでも今日ここまでやったね」と声をかけてあげる
そんなふうに、
自分との関係そのものを、少しずつ丁寧にしていくこと が、
他の誰との友だちづき合いよりも、実は大きな土台になります。
自分を嫌いなまま、
「深い友だちが欲しい」と願うのは、とても苦しいもの。
完璧に好きになれなくてもいいので、
「よく頑張ってきたね」
「いろいろあるけど、これからも一緒にやっていこうか」
と、自分に向けて言える言葉を、少しずつ増やしていけるといいなと思います。
おわりに:“広さ”の時代を通り過ぎた自分だからこそ、選べる友だちづき合いがある
ここまで読んでみて、
もしかしたら、少し胸がチクっとしたり、
「ごめん、自分も無理してたな」と感じる場面もあったかもしれません。
それは、
これまでずっと「広さ」を維持するために、
たくさんの場に顔を出してきた、あなたの頑張りの証でもあります。
40代・50代は、
その頑張りを一度振り返って、
「ここから先は、誰とどんなふうに付き合っていきたいか」
を、自分で選び直すタイミングでもあります。
- 友だちの「定義」を今の自分仕様にアップデートする
- 人間関係を3つの輪に分けて、内側の人を意識的に大事にする
- 頻度より質を大事にして、短い時間でも本音を交わせる場を増やしていく
- 義理の付き合いや、合わなくなってきた関係とは、少しずつ距離を調整する
- 新しいつながりや昔の友だちとの関係も、「今の自分たち仕様」に更新していく
そのどれもが、
“広さ”から“深さ”にシフトしていくための、小さな一歩です。
全部は難しくても、
今日の中で「これならやってみようかな」と感じたことを、
ぜひひとつだけでも、明日からの生活に混ぜてみてください。
その小さな選択の積み重ねが、
「広く付き合うために頑張る自分」から
「深くつながりたい人を大事にできる自分」 へと、
静かに向きを変えていく力になってくれるはずです。

