お金のことを考えたほうがいいのは分かっている。
でも、家計簿という言葉を聞くだけで気が重くなったり、
パートナーや家族にお金の話を切り出そうとすると、
なんとなく胸がざわざわして、つい後回しにしてしまう——。
そんな「お金の話がこわい」感覚を抱えている人は、少なくありません。
こわさの正体は、「足りていない現実を見るのが怖い」「浪費を責められそう」「自分の管理の甘さがバレそう」といった不安の積み重ねです。だからこそ、最初から完璧な家計管理を目指すよりも、できる範囲で“ゆるく整える”こと から始めたほうが、心も家計も続きやすくなります。
この記事では、「ガチ家計簿」ではなく、
お金の話が苦手な人でも取り組める ゆるい家計の整え方10個 を紹介します。
- ノート1ページから始めるざっくり把握
- 「使いすぎゾーン」だけを見張るミニ家計簿
- こわい話をしやすくする“言い出し方”の工夫
- 将来の不安を「月いくらなら現実的か」に落とす考え方
など、「これならやれそう」と思えるものをひとつだけ選んで、
今日からゆっくり試してみてください。
- お金の話がこわくなる理由を、やさしく言葉にしてみる
- 1:ノート1ページで「ざっくり今どんな感じか」を書き出す
- 2:全部つけない。「使いすぎがちゾーン」だけミニ家計簿をつける
- 3:「ここだけ死守」の“安心ライン”を決める
- 4:固定費を「一気に見直す」ではなく「ひとつだけ見直す」
- 5:「お金の話」をするときは、いきなり“反省会”にしない
- 6:「理想の貯金額」ではなく「今の生活で無理なく続く金額」を探す
- 7:お金の不安を「数字のない言葉」で先にメモしてみる
- 8:「使いみちの名前をつけた口座」や封筒を作る
- 9:数字が苦手なら「グラフ」や「色」でざっくり見る
- 10:「全部分かろうとしない」ことを、自分に許可する
- おわりに:こわさごと、自分を大切に扱いながら
お金の話がこわくなる理由を、やさしく言葉にしてみる
お金の話がこわいと感じるとき、
そこにはたいてい、いくつかの感情が絡み合っています。
- 足りていない現実を見て落ち込むのがこわい
- 相手に「浪費家」「だらしない」と思われそうでこわい
- 過去の失敗(借金・リボ払い・滞納など)を掘り返されそう
- 「ちゃんとしなきゃいけない」と一気に責任を背負わされそう
これらは、「守りたいものがあるからこそ出てくる怖さ」 でもあります。
・自尊心
・関係性
・生活の安定
つまり、「自分がだらしないから怖い」のではなく、
大事なものを守りたい気持ちが強いからこそ、怖さも強くなるのだと捉えてみると、
少し見え方が変わってきます。
ここからの10の習慣は、
この「怖さ」をいきなり消そうとするのではなく、
怖さを抱えたままでもできるレベル に、家計の整え方をゆるく調整していくためのものです。
1:ノート1ページで「ざっくり今どんな感じか」を書き出す
最初からアプリや本格的な家計簿に挑戦すると、
「続けなきゃ」というプレッシャーで苦しくなりがちです。
そこで、スタートは ノート1ページだけ にします。
書くのは、このくらいで十分です。
- 月の手取り(ざっくりでもOK)
- 固定費(家賃・光熱費・通信費・保険・サブスクなど)の合計
- 「食費・日用品」「趣味・交際費」「その他」のざっくり予算
たとえば、
手取り:22万円くらい
固定費:家賃7万、光熱1.2万、通信1万、保険0.8万、サブスク0.5万 → 合計10.5万
残り:11.5万
食&日用品:5万
趣味・交際:3万
その他:3.5万
くらいのラフさでOKです。
目的は「完璧な数字を出すこと」ではなく、
「なんとなくモヤモヤしていたお金の状態を、紙の上に出してみる」 こと。
これだけでも、「意外と固定費にこんなに使っているんだ」「残りの枠はこのくらいなんだな」と、
ぼんやりしていた不安が、少し輪郭を持ちはじめます。
2:全部つけない。「使いすぎがちゾーン」だけミニ家計簿をつける
家計簿が続かない大きな理由は、細かくつけるのが大変だから です。
そこで、すべての支出を記録しようとする代わりに、
自分が「使いすぎがちだな」と感じているカテゴリだけ
1か月ミニ家計簿をつけてみる
という方法があります。
たとえば、
- コンビニ・カフェ代
- ネットショッピング
- 外食
- 美容・コスメ
など、「なんとなくここが怪しい…」と思うところを1つか2つ選びます。
そのカテゴリの支出だけ、
・日付
・使った金額
・内容(『コンビニお菓子』『服』など一言)
をメモ帳かアプリに記録してみます。
1か月続けてみると、
- 思っていた以上に小さな額が積み上がっている
- 「このくらいならOK」と思える範囲も見えてくる
など、感覚と実態のズレに気づけます。
全部つけようとしないぶん、心の負担も少なめで済みます。
3:「ここだけ死守」の“安心ライン”を決める
節約をしようとすると、「あれもこれも削らなきゃ」と考えてしまいますが、
それは長く続きません。
そこで逆に、
ここだけは削らない
ここさえ守れていれば、とりあえずOK
という “安心ライン” を先に決めてしまいます。
例)
- 毎月、最低1万円は貯金(または積み立て)に回す
- 趣味や楽しみに、月◯円までは気持ちよく使う
- コンビニでの「なんとなく買い」は、週◯円まで
など、「このラインを守れていれば自分を責めなくていい」という基準を作ります。
この安心ラインがあると、
- 多少のムダ遣いがあっても、「ライン内だから大丈夫」と思える
- 逆にラインを越えそうなときに、自然とブレーキがかかる
という効果が出てきます。
4:固定費を「一気に見直す」ではなく「ひとつだけ見直す」
家計の改善といえば「固定費の見直し」とよく言われますが、
家賃・保険・通信費・サブスク…と全部一度に考えようとすると、
それだけでうんざりしてしまいます。
そこで、毎月1つだけ 見直す対象を決めてみます。
- 今月は「通信費」だけ
- 来月は「サブスク」だけ
- その次の月は「保険」だけ
というように、テーマを分けて取り組みます。
「通信費」の月なら、
- プラン変更だけで安くなるか調べてみる
- いらないオプションがないか明細をチェックする
- Wi-Fiとスマホをまとめたらどうか考えてみる
など、「ここについて考える月」と決めるだけでも、
漠然としていた不安が「やることリスト」に変わっていきます。
5:「お金の話」をするときは、いきなり“反省会”にしない
パートナーや家族とお金の話をするのがこわいと感じる人は多いです。
特に、「使いすぎた」「貯金が少ない」など、ネガティブな現実があるときほど、
話し合い=責められる時間、というイメージになりがちです。
話を切り出すときは、いきなり反省から入らない のがおすすめです。
例えば、こんな入り方があります。
- 「うちのお金のこと、もうちょっと分かりやすくしておきたいなと思っているんだけど、一緒に考えてくれない?」
- 「将来のために、今どのくらい使っててどのくらい貯められそうか、一回いっしょに整理してみない?」
「責めたいから話したい」のではなく、
「安心するために一緒に考えたい」 というスタンスを伝えることで、
相手も防御モードになりにくくなります。
また、最初の1回で全部決めようとせず、
今日は「現状を見える化する日」だけ
次回は「どうしたいか話す日」
と 複数回に分ける前提 でいると、心の負担も軽くなります。
6:「理想の貯金額」ではなく「今の生活で無理なく続く金額」を探す
将来のお金を考えるとき、
「毎月◯万円は貯金すべき」「手取りの◯割は貯蓄に」など、
理想の数字に圧倒されてしまうことがあります。
ですが一番大事なのは、「現実的に続けられるライン」 を見つけることです。
- 今の生活を極端に削らなくても続けられるのは、月いくらか
- 1万円ならいけそう? 5千円なら? 3千円なら?
と、少しずつ数字を下げながら、「これなら1年続けられそう」と思える金額を探します。
たとえ月3千円でも、1年で3万6千円、5年で18万円です。
そこから少しずつ増やせるようになればなお良し。
大きな額を一気に貯めようとするより、
小さな額を、息切れせずに続けること が、長い目で見ると家計を支えてくれます。
7:お金の不安を「数字のない言葉」で先にメモしてみる
家計を整えようとするとき、
いきなり数字と向き合うと、気持ちが折れてしまうことがあります。
そんなときは、先に 数字を使わずに不安を書き出してみる のも一つの方法です。
例)
- 毎月のカード明細を開くのがこわい
- もし今突然仕事を失ったらどうしようと、時々考えてしまう
- 将来の老後資金がぜんぜんイメージできない
- パートナーがどのくらい貯金しているか知らない
こうして「言葉のレベル」で眺めると、
- これは今すぐ数字で見直したほうが安心できそう
- これは将来の話だから、今日全部決めなくていい
と、優先順位が見えてきます。
不安をまとめて「お金がこわい」と感じていたものを、
いくつかの小さなテーマに分解できるだけでも、
心の重さが少し軽くなります。
8:「使いみちの名前をつけた口座」や封筒を作る
お金が「なんとなく」出ていく感覚が強いと、
不安も大きくなります。
そこで、使いみちに名前をつける という工夫があります。
- 日常生活費
- 家賃・固定費用
- 将来のための積み立て
- 旅行・楽しみ用
など、ざっくりで構いません。
ネット銀行の複数口座機能や、
アプリの「目的別貯金」を使ってもいいですし、
現金派なら封筒にラベルを貼るのもアリです。
名前が付いているだけで、
- 「これは生活費から出すのか」「旅行用から出すのか」
- 「これは将来用のお金には手を付けずにやりくりしよう」
と、使うときの意識が変わってきます。
同じお金でも、「正体が分かっているだけで安心する」部分は大きいものです。
9:数字が苦手なら「グラフ」や「色」でざっくり見る
細かい計算や表が苦手な人は、
数字ではなく“見た目”で家計を見る工夫 をしてみても良いかもしれません。
例えば、
- カレンダーに「使った金額のゾーン」で色を塗る
- 0〜1,000円 → 緑
- 1,000〜3,000円 → 黄
- 3,000円以上 → 赤
- 週ごとに支出合計をメモして、棒グラフにしてみる
- 貯金額だけアプリのグラフで見えるようにする
など、「増えている」「使いすぎている」がひと目で分かる形にします。
数字を細かく追いすぎないことで、「管理している感覚」はありつつ、
心の負担を軽くできます。
10:「全部分かろうとしない」ことを、自分に許可する
最後に、一番大事なことを。
お金の話はとても範囲が広く、
税金、保険、年金、投資、ローン、住宅、老後資金……
すべてを理解しようとしたら、誰だって圧倒されてしまいます。
だからこそ、
いまの自分にとって大事なところだけ、
「以前よりほんの少しだけ分かるようになる」
くらいを目標にしてみてください。
- まずは、毎月のお金の流れがざっくりイメージできればOK
- 次に、固定費をひとつ見直せたら大きな前進
- その次に、小さくても「続く貯金」がひとつできれば十分
お金の話は、一度向き合ったからといって永遠に安心、というものでもありません。
生活スタイルや働き方が変われば、そのたびに見直しが必要になります。
だからこそ、一気に完璧を目指すのではなく、
「これまでより、少しだけこわくなくなった」
という感覚を積み重ねていくことが、大きな意味を持ちます。
おわりに:こわさごと、自分を大切に扱いながら
「お金の話をするのがこわい」という気持ちは、
決して未熟さの証ではありません。
- 失敗したくない
- 誰かをがっかりさせたくない
- 自分の生活を守りたい
そんな真面目さや、責任感の裏返しでもあります。
だからこそ、そのこわさごと大切に扱いながら、
できる範囲で少しずつ、家計を「見える」「整う」方向に動かしていけたら十分です。
今日紹介した10の中から、
「これなら3日くらいなら試せそう」と感じたものをひとつ選んで、
ノート1ページを書いてみる、固定費を1つだけチェックしてみる、
そんな小さな一歩から始めてみてください。
その一歩が、
お金の話を「こわいもの」から「ときどき向き合えるもの」へと変えていく、
静かなきっかけになってくれるはずです。

